花井とバイクと父上の話。
こんにちは(*˙︶˙*)
花井 優月です。
バイク便を始めてからしばらく・・・
居酒屋さんのバイトを辞めたことも、バイク便になったことも父親には伝えていませんでした。
なんでか??
それはね、花井のお父さん、
チョー怖い人!!
だったんです(・_・;)
今回はそんなお父さんとのお話を・・・
【意外な親バレと和解】
入ってから半年ちょっと。
未経験ということもあり、決まったルートで廻る定期便に配属されたあたしは毎日楽しくて楽しくて仕方ありませんでした。
自分の原付きバイクでお客さんのところへ伺い、お荷物を受け取って次のところへ。
半年も経つと、珍しい女性ライダーということもあり、うかがう先のお客さんも自分のことを覚えてくれて、「今日も頑張ってるね!」と声をかけてもらえることもありました。
それもまた、楽しみの一つだったんですね。
でも、毎日乗っていて思ったんです。
原付きは制限速度30kmの制限。
大通りを右折するときは二段階右折。
通れない道も都内には多くありました。
何より、やっぱり大きなバイクに乗りたいなぁとの思いが強くなってきたんです。
「中型取りたいなー」
その頃、半年が経つというのに父にはまだバイク便のお仕事がバレていませんでした。
原付スクーターともう一台、ミッション付きの原付を持っていたので、会社にBOXを積んだミッション原付を置かせてもらい、スクーターで通っていたのです。
しかし中型免許を取るとなると、大きなバイクが欲しくなります。
教習所に通うお金はできたけど、さすがに原付2台と中型バイクを所持できる経済状況ではありませんでした。
それに、中型バイクを買ったらそこにはBOXがつくことになります。
そうでなくとも、内緒にしているのもそろそろ限界かと思っていました。
うーん・・・そろそろお父さんに話してみるかなぁ・・・。
そんなことを思っていた矢先、事故に合いました。
大通りを走っていた時、右側を走っていた車が突然ウィンカーも出さずに左に曲がろうとしたところに衝突したのです!
自分自身は打撲と足をくじいたくらいですみましたが、バイクは大きく壊れ、事故現場から自力では動かせない状態でした。
その日、くじいた足をズルズルしながら帰宅したところ、父が玄関で仁王立ちで待ち構えていました。
「・・・お前、事故したんだって?」
うお!なんで知ってるんだ?!
ヾ(・ω・`;)ノ
父の言葉に戸惑いと驚き隠せず、何も言えずにオロオロしていたところ・・・
「バイク便やってるんだって?」
と、低い声で言われて、思わず身体をギュッと固くしました。
「怒ってる!絶対殴られる!!」
と思ったからです。
しかし、次の瞬間、父はあたしが持っていた荷物をそっと受け取り、こう言ったのです。
「女の子なんだから、事故には気をつけなきゃダメだろう。大きな怪我がなくてよかったよ」
あたしはキョトーンとしてしまいました。
いつも自分都合の不条理があれば怒鳴り散らし、暴力を振るっていた父からは予想もしなかった言葉でした。
「はい・・・内緒にしていてごめんなさい」
拍子抜けして、そういったのだけ覚えてます。
キツネにつままれたようなって、その時の自分の顔を言うんだろうなぁ。
「バイク便をやるなら、原付は危なすぎるからやめなさい」
父はそう言い残して、部屋の奥へと消えていきました。
後で知ったのですが、事故をしたことで心配した会社の先輩が、家に電話を入れてくれていたそうです。
父はその電話を受けた時はものすごく怒っていたそうで・・・しかし、秘密を知っていた弟がなんとか父をなだめておいてくれたのでした。
その後、父親にはバイク便を始めた経緯を話し、内緒にしていてゴメンナサイときちんと謝りました。
改めてめっちゃ怒られましたけど・・・!
( ;∀;)
そして、「都内を走るには原付は小さくて危険すぎる」という父親の意見にも諭され、自動二輪免許(当時の中型免許ですね)を取りに行くことを決意したのです。
父からは
「お前は速くなる才能はないから、取ったところで無駄だと思うけど」
と、よくわからないことを言われました(笑)
かつてはバイク乗りだった父にどう写ったかわかりませんが、娘もバイクを好きになっていたことを嬉しく思っていたことだけはわかります。
それからというもの、家に帰ると毎日のように父親に特訓を受けました。
バイクというものが使い方を間違えるとどんなに危険なものかということ。
運転技術の未熟さを常に認識し、事故を起こさないように気を付けること。
家の前で転回や急制動、スラロームなど、教習所で習ったことをおさらいさせられる日々でした。
その頃は、
いや、仕事で疲れてるから勘弁してください・・・(´;ω;`)
とか思ったけど、今考えるとその時間があったから、特に大きな事故もなく過ごせてこれたのかなと思います。
教習所の教官に褒めてもらえることもあったし、何より卒業までストレートで一時間も落とすことなくいけたのも、そのおかげだと思っています。
練習中は怒鳴ってばかりでしこたま怖かったけど、父親なりの、娘への贈り物だったのでしょう。
かつてのバイク乗りだった自分の経験から、たくさんのことを教えてくれました。
父親とは反りが合わないことがとても多かったけど、バイクの話をしている時は、そこそこ穏やかに時が流れていた気がします。
そんなお父さんとの思い出もあってか、あたしは今でもバイクが大好きなのです♡
その当時に教えられたことを胸に、これからもバイクに乗っていこうと思います。
そんなこんなで、今回はこの辺で・・・★